現代の暮らしに合わせた古民家再生住宅|古民家再生見学ツアー(前編)

和室で感じるおもてなしの心

正田さん

玄関ホールから続く、畳の部屋ですけど、ここが元々玄関だった場所です

もし家編集部

元々は玄関だった場所が和室に!

正田さん

そうなんです。天井はそのままですが、柱は入れ替えてほぼ改装しています。ちょうど玄関からさっと上がれるので客間にいいですよね

もし家編集部

本当ですね。すぐにどうぞとあがっていただく使い方にぴったりですね

正田さん

景色も見えますし、目線を遮る障子もあったり。あとは収納と仏壇ですね。古民家や和風のお家づくりで大切なのは、日本人である以上は来られる方をおもてなしする意味でお客様を出迎えるスペース、床の間に季節の花を活けたり、掛け軸をかけたり、飾りをするスペースを作るケースは多いですね

もし家編集部

本当にすばらしい和室ですね~

正田さん

例えばちょっとしたことですが、ケヤキの床の間の下部分に竹をつけたりしていますね。
この花台も、うちの職人が端材で作ったんでしょうね

床の間に飾られたおもてなしの心

もし家編集部

すごい。小さなところにこだわりをもってできるのは、職人さんがしっかりした技術をもたれている工務店さんだからですね

正田さん

そうですね。うちの場合は大工が勝手にやったりします(笑)。楽しんでやっているので、施主さんと話をしていると思わず作ってしまうんでしょうね

もし家編集部

「床の間に合うこういうものはないか」ということで、ぴったりの木材を持ってきて作ってしまうということですね!

廊下もトイレも落ち着いた雰囲気で統一

正田さん

廊下の壁は漆喰、床材はチークを使っています。建具は再利用したものと、作り替えたところがありますが、雰囲気に合わせて着色しています

もし家編集部

濃いめな色の、すごく落ち着いた雰囲気ですね

正田さん

歩いていくと気になる梁がありますけど、古民家の場合は173〜5cmの人がギリギリ通れるか通れないかぐらいの高さで梁が入っていることがあるんです。よくお施主様から外して欲しいというご要望もあったりするんですが、構造躯体になるので外せないんですね

左側の引き戸がトイレ

もし家編集部

結構低めなんですよね。ちょっと高くしたいと思っても構造が変わってしまうわけですね。
トイレもおしゃれですね~!

正田さん

通常のトイレは畳一帖分なんですけど、カウンターを広めに取って下を収納にしました。カウンターのケヤキの板は、少し塗装をかけると水弾きもしっかりしますので陶器状のボウルを合わせて、壁は工場にあったスギの板を張りました。
間接照明をつけて落ち着くトイレ空間にしてあります

もし家編集部

すごく広々としていて、床がフラットなのがまたいいですね。
引き戸で、間口もちょっと広いですか?

正田さん

そうですね。バリアフリーなのと、最近要望で多いのが引き戸ですね。
今の一般的な住宅は柱を見せずにボードを貼ってしまうのですが、「真壁」という柱が見えるような構造になっていて、最大限広く使える形なっています