Instagramで話題の大工の奥さんが教える「ハウスメーカー」と「工務店」ってどう違うの?

きなこ(右)岡山県岡山市生まれ。旦那さんが大工で工務店に勤めています。普段の夫婦の会話の中で、大工さんとお客さんとの関係性に魅力を感じつつ、家づくりの難しさを痛感し、Instagramにて工務店の良さや、大工目線の家づくりについて発信しています。
● Instagram  @kinako.116

ツナ(左)岡山県生まれ。蛍がいる街で育ち、大工をしていた祖父の影響で大工の道へ進む。大工歴は13年。白バラコーヒーとイチゴのショートケーキが大好物!DIYコミュニティを模索中。

Instagramで話題の大工の奥さんが教えるコラム

家づくりをはじめて最初に気になること

ハウスメーカーと、工務店って、どう違うの?

今でも覚えているのが、家づくりを考え始めた友達に1番最初に聞かれたこの質問。

周りに話を聞けば、友達はハウスメーカーで建てたって聞くし、会社の同僚は地元工務店で建てたって聞くし、ハウスメーカーと工務店、何がどう違って、自分たちにはどっちが向いているのかが分からない、と。

私は実家も工務店で家を建てていて、主人も工務店の大工として働いているので、自然と我が家も工務店で・・・という流れでしたが、もし主人が工務店の大工じゃなかったら、きっと、ココが最初に知りたいところだったと思います。

ということで、ちょっと想像してみてください。
あなたがもし、リビングのある場所に棚が欲しいな〜!と思っていたとします。その棚を手に入れるためにはどうしますか?

前の私だったら、サイズを測って某家具量販店に買いに走ります(笑)
だって、近くにお店があってお手軽で、「お、◯◯以上♪」そう、安いからです。

でも、売られている棚は規格品なので、その場所にぴったりのサイズの棚はなかなかありません。微妙に小さかったり大きかったり、「もう少し◯◯だったらよかったのにな〜」というわたしの個人的な細かい要望まで叶えてくれることはかなり難しいです。

しかし規格品なので機械で短時間で作ることができるため大量に仕入れることが可能ということから価格が安い、さらに機械が作るのだから品質も均一で確保されていますよね。

ここでいう量販店が、ハウスメーカーにあたると思っています。

ハウスメーカーは全国展開していて割と近くに営業所があったりして気軽に話を聞きに行けます。また、1年間に家を建てられる数も多いため、材料や設備をたくさん仕入れる事でコストを抑えることができます。

規格品は制限もあるけれど品質が均一

ただ「たくさん仕入れる=規格がある程度決まっている」ものも多く、間取りの変更が自由にできなかったり、キッチンも好きなメーカーのものを自由に選んでいい、というわけではなかったりするそうです。

また、床材やクロスなども種類が限られたものの中から選ばなければならない場合も多く、細かいこだわりをすべて叶えてくれるのは難しい部分があります。

でもその分、規格品を使う事で、工期も短く、品質は均一で確保されています。何より知名度が高く、大きい会社なので安心感がありますよね!

また一般的にハウスメーカーには【標準仕様】と、【オプション】いうものがあって、【標準仕様】、これが量販店でいう規格品の棚。もし、その棚の下の段に扉をつけて埃が入らないような収納にしたい!と思った時、その扉が【オプション】にあたります。

もし、その棚の下の段に扉をつけて埃が入らないような収納にしたい!と思った時、その扉が【オプション】にあたります。

もともと価格に含まれていないものを後からつける、もしくは変更するとなると、できないことがあったり、できたとしても金額が高くなったりすることは、よくあること。

実際、量販店で販売されている(扉なしの)棚を買った後に、その棚の下の段だけやっぱり扉付きにしたい、と思ったとき、その人のためだけに工場で特注で作ってもらうことはまず難しいですよね。

そのあたりの自由さ、柔軟さは、ハウスメーカーと工務店では大きく違うところです。(ハウスメーカーでも自由度が高いもの、工務店でも規格住宅みたいなものを建てているところもあったりするので、そこは確認してみてくださいね!)

ハウスメーカー向きな人

ハウスメーカーのような大きな会社になればなるほど、広告宣伝費や、営業マンがいれば営業マンの人件費、そういった家自体にかかるお金以外の経費もたくさんお客さんの請求額に入ってきます・・・。

大きな会社ほど、それだけの人が働いていたり、経費はかかりますが、耐震実験など大規模な実験をしたりできるのはハウスメーカーだからこそできることなので、そういうちゃんとしたデータを求める人は、ハウスメーカーが向いていると思います。

工務店といっても、いろんな規模の会社がありますが、宣伝をせずに口コミや紹介で仕事をもらっていたり、営業マンを雇っていないところも多く、小さな会社ほど経費がかからず、家にかけられるお金の割合は多くなります。

例えば同じ金額で家を建てるとしても工務店のほうが家にかけられるお金が増えるため、予算内でこだわりの家が建てられますが「安心感をお金で買う」という意味ではハウスメーカーが魅力的な気もします。

職人の手仕事で叶う、細かなこだわり

話は戻って、量販店に棚を買いに走る以外、ほかにどんな方法があるかと言うと、知り合いの大工さんに作ってもらう方法です。

大工さんに作ってもらおうと思うと、大工さんはまず、【どんな棚がいい?サイズは?どんな色味の木材が好き?】と、1から作るわけなのでお客様さんの細かいこだわりを聞き、それをもとに、ぴったりのサイズ、好きな色味の、理想の棚を作ってくれます

誰かのために大量につくる規格品とは違い、そのお客さん1人のために1から職人の手で丁寧に作り上げたものは、あたたかみがあって、今の私なら、迷わず主人に棚を作ってもらいます

しかし、人の手で1から作るとなると、技術が必要だったり、時間がかかり、どうしても規格品よりも価格は高くなってしまいます。そして、その大工さんの腕によって品質に多少のバラツキが出てしまうことも事実。

この、大工さんに作ってもらう、という方法が、工務店にあたります。

工務店向きな人

1から作ることで、自由度が高く、途中の変更にも柔軟に対応できたり、お客さん一人一人の細かいこだわりを叶えられること。

ハウスメーカーのように1年にたくさんの家は建てられないけれど、職人さんとお客さんの距離が近く、お互いの顔が見えて、コミュニケーションをとることで、1つ1つのご家族としっかり向き合うことができます。

そのため、主人が言うには、どんなことにこだわって建てたお客さんだったかとか、引き渡し後、時間が経っても、自分が担当した家やそのご家族のことは忘れないそうで、何かあった時には気軽に連絡してもらえる、というところは、工務店の魅力なのかな~と思います。

安心感やブランド力、数値やデータなのか、有名な会社ではないけど、予算内でできる限りクオリティの高い家を建てたいのか、何を重視するのかによって、求める家によって、どちらが向いているのかがなんとなく見えてきませんか

まとめ

●ハウスメーカー向きな人
・ある程度決まったものの中から決めていきたい人
・そこまで家に対してこだわりが強くない人
・資金に余裕がある人
・手間や時間がかかるならお金を出してもいいと思う人
・会社の規模や社会的な信用を魅力的に感じる人

●工務店向きな人
・細かい要望を聞いてほしい人
・限られた予算の中でこだわりの家を建てたい人
・木が好きで、手作り感や、アットホームな雰囲気が好きな人
・お金を節約できるなら手間や時間をかけてもいいと思う人

でも、ハウスメーカーみたいに大きい会社だと安心だけど、知名度の低い工務店は、どうやって信頼できるところを見つけたらいいの?」と、思われる方も多いと思います。

ズバリ!そこで働く【人】を知ることがとっても大切なんです。そんな工務店でも、安心してお願いできるところを探すポイントをお話ししたいと思います。

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