物質を貯め込む「多孔質」の役割とは
大塚さん
そういうことですね。漆喰そのものはやっぱり珪藻土に比べると若干落ちますけど、基本的に有機溶剤を混ぜたような、合成を混ぜたようなものの漆喰とは違って「多孔質」になりますので
もし家編集部
「多孔質」とは何でしょうか?
大塚さん
そうですね。最近あんまり言わなくなりましたけど、昔は一時「炭が消臭してくれる」と言われていましたよね。炭自体を断面を顕微鏡で見ると、すごい多孔質なんですね。つまりあの中に、物質をため込むということです
もし家編集部
なるほど。部屋がいっぱいあるってことですね
大塚さん
そうです。ただ、ずっとやっていたら途中から効かなくなりますよね。全部埋まっちゃうんです。コップと一緒です。水を貯めると、よっぽどバーナーかなんかで蒸発させないと出ていかないですよね。
ということは貯まり切った後は…例えば家で言うと冬に貯まったものでいっぱいになって、夏に暑くなってきたら、それが発散して溢れ出てくるということですね
もし家編集部
なるほど、そういう事なんですね
大塚さん
天然の漆喰そのものっていうのは、中に入っているカルシウム系成分が揮発性物質のものをある程度くっついて固着化して、さらにその時は全部は固着できないですから、再石灰化みたいな…歯みたいですけど(笑)
余分なものは水蒸気とか、水素になって出ていくというような性質があります。100%ではないですけどね
もし家編集部
分解をするので永続的に効果を持ち続けることができるんですね
大塚さん
ただ、イメージでいうと車にワックスかけても、やがては落ちてしまうように、その限界度の高さが違うと思っていただけたらと思います。
大塚さん
こういう研究される方はあんまりおられないでしょうけど、現実として、岡山だったら岡山城の漆喰だったり、倉敷の白壁の町であったり、全国的にあるようなお城。お城は思いっきり漆喰を使ってるじゃないですか。とてもきれいですよね
もし家編集部
白壁はずっと白壁としてきれいですもんね
大塚さん
そうですね。よっぽど日陰のじゅくじゅくしているところじゃない限りね。僕が行っていた中学校は岡山城のすぐ近くで、岡山城の周りがランニングコースでしたけど、お城はきれいでしたよ。剥がれてるのはありましたけど(笑)。
それで何十年経ってもあの状態ですからね。それらが劣化して崩れるとかが無ければある程度の年数は保つ、という事が歴史的に証明されているのかな、とは思います
【もし家編集部より】前編はいかがでしたか?後編は、大塚さんにさらに漆喰の効果や健康住宅とは何かを詳しくお話ししてもらいます。
後編は>> こちらからご覧になれます
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