家づくりについて考え始めた時や、間取りについて考えている時に“いる? いらない?”と悩みがちな「和室」。
ここでは、そんな和室の便利さと併せた“和室を設ける理由”や、和室とはひと味違う「畳コーナー」や「琉球畳」についてもご紹介します。
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和室の使い方は自由自在
日本人にとって古くから慣れ親しんできた空間である和室は、実は自由自在な使い方ができる便利な空間でもあります。
座卓やコタツを置いて居間に。布団を敷いて寝室に。洗濯物を畳んだりする作業スペースにもなりますし、親戚や友人知人が訪れた際には接客・来客スペースにと、様々な空間として利用ができます。どちらかというと住宅が狭い日本において、そんな和室は使い勝手のよいフリースペースといえるでしょう。
抗菌作用もある、癒しの空間
畳に使用されている「い草(藺草)」の香りは科学的にもリラックス効果があると実証されています。もともとい草は病気の治療などに使われる薬草として海を渡って日本に伝わってきたといいます。
い草に含まれるフィトンチッドという成分は殺菌作用や防腐効果があるだけでなく、精神を落ち着けるリラックス効果もあるといわれています。さらにストレス軽減効果があるというバニリン、鎮静作用や不眠症に良いとされているα-シペロンといった成分も含まれており、心を癒す効果が高いといわれています。
さらに畳には抗菌作用もあるので、菌の繁殖などをある程度低減させる効果もあります。
畳のデメリットは管理の大変さ
い草は見た目の美しさもある反面、とても傷が付きやすくダニやカビが発生しやすい素材でもあります。座卓やコタツの足が常に同じ箇所にあると、その部分に負担がかかり傷みが発生してしまいます。さらに人のフケや汚れが細かい繊維に入りやすく、それがダニやカビが発生する原因となりアレルギーの原因となることも。
畳や襖のお掃除方法は
ほうきがけや雑巾の乾拭きをする場合は、畳の目に沿って掃いたり拭いたりするのがベスト。掃除機を使う場合も同様に畳の目に沿って行い、継ぎ目のヘリにぶつからないよう注意しましょう。また、梅雨など湿気の多い時期には除湿も効果的です。
そして襖(ふすま)は和紙で作られているので定期的な張り替えが必要です。掃除の仕方としてはハタキやハンディクリーナーでやさしくホコリを落とす程度。溝などにゴミが溜まってきたら歯ブラシや爪楊枝で取り除けます。
豆知識_和室には3つの格式があるのをご存知ですか?
日本の伝統的な住空間である「和室」。その歴史は鎌倉時代〜室町時代まで遡るといわれています。実は和室は「真・行・草」という3つに格付けされています。
「真」はもともと武家の建築だった「書院造り」にあたる格式のある和室をいいます。「草」は茶室の意味である「数寄屋」で、真の様式を少し崩したものともいえます。そして「行」は真と草の中間といわれています。
明確な定義はありませんが、書道でいう楷書(真)、行書、草書にあたる格付けともいわれています。
和室を設ける理由をシーンごとにご紹介
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来客が多いご家庭では客間として
親や親類・親戚、そして友人などが泊まりに来た時、和室は宿泊用の客間として大活躍します。ゆったりと寛いでもらうスペースとして利用いただき、夜は布団を敷いて来客用の寝室に。
親との同居に備えて
将来の親との同居を考えて和室を設ける場合は、間取りや素材に注意が必要です。通常ならばリビングに和室が隣接していると便利ですが、同居した親の居室として和室を考えている場合は、生活音などに考慮して少しリビングから離れた箇所に設けるのが良いとされています。また、親の荷物の量もある程度理解しておかないと、和室の押し入れに収まりきらない場合も。
子どもの遊びスペースとして
まだお子さまが小さい時期は、柔らかく足音を軽減できる畳がとても重宝します。LDKから目が届く範囲に和室があれば様子を見ながら家事をすることもでき、散らかった遊具なども押入れがあれば片付けも安心。和室を遊び場と決めておけば多少の遊具なら出しっ放しでもOKですね。
自分たちが歳をとってからの寝室に
2階建てに住んでいて上階に寝室を設けている場合、将来自分たちが歳をとったら階段の上り下りが身体的に大きな負担になるかもしれません。それも踏まえたうえで、将来は自分たちの寝室にするというのも選択肢のひとつです。その時は手すりなどを設置したり、洋室へリフォームするという方法もあります。
汎用性や利便性ではなく、純粋に畳が好き
畳の香りや肌触り、和室そのものの空気感や存在感が好き、という方も多くいらっしゃいます。そういう場合は汎用性や利便性はもちろんですが、使用目的に拘らず和室を自宅に設けておいて間違いはないはずです。
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アイデアを活かした「和」の空間
リビングの一部分を和室に
最近多く見られる間取りが、リビングの一部に畳を敷いた「畳コーナー」。小上がりにすることでリビングの床面との段差が生まれ、下部に収納を設けることもできるので人気があります。もちろん襖などで締め切って、ひとつの部屋として使用することもできますし、開放することでリビングと合わせた大空間のスペースとして使用することもできます。
リフォーム不要で和のスペースを実現
和室や畳コーナーを設けていなくても「和のスペースが欲しい」と思った時に便利なのが、フローリングなどに直置きできる正方形の「琉球畳」です。必要な時に敷くことで、和の空間を生むことができます。畳の素材はい草だけでなく、和紙から化学繊維まで多くの種類がありますので、用途に応じて素材を選ぶこともでき便利です。
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