住宅性能を真夏の無冷房で確かめてみた!│ショーハウスで実験(前編)

室内の温度が直線的になる秘密は、断熱と蓄熱体

近藤さん

これが2日目です。室温29.7℃〜6℃の辺りだったものが、外気温が下がるにつれて下がっていきまして、一番下がったのが明け方の朝の7時ですね。29.3℃ぐらいまでは下がっていますが、ほぼ水平線を辿っています

もし家編集部

ずっと一定なんですね

近藤さん

そうですね。一定になる理由は、断熱もそうなんですけど、この建物は蓄熱体っていうのがたくさんあります。これは実験的にしているところもあるんですけど、LDKや階段の下の床にコンクリートを使ったりしてるんです

もし家編集部

前回、蓄熱体を窓のあたりに設置することで、外の暖かさを取り込むことができると教えていただきましたよね

近藤さん

蓄熱っていうと「あったかくするために設けている」というイメージがありますが、実は冷温を蓄熱することもできるんです。この建物はパッシブ冷暖と言いまして、床下エアコンを採用しています。床下エアコンと言いながらも、エアコンはちゃんと床上の壁についているんですが、冷気や暖気を床下に一旦落として、暖気はそのまま自然に上げてきて、冷気は強制的に上に上げて下に落とすということをしてます。
冷気が一旦床に落ちていますから、その冷温を蓄熱することもできるんですね。だから14畳エアコン1台で、この38坪の建物を全て賄っています

もし家編集部

なるほど、蓄熱体から冷たい熱を放射させるようなイメージになるのでしょうか

近藤さん

あったまろうとしている建物に対して、いくらか熱を交換するというイメージだと思います。なので、極端にも上がらないし極端にも下がりません。直線を描いていくのはそういう理由もあると思います

もし家編集部

断熱と蓄熱、この二つが直線の理由になっているということですね

近藤さん

2日目は外気温37℃になっています。体感はおそらく40℃を超えているんじゃないかと思いますけどね。その時にリビングはピーク時が6〜7時の間で31℃になっています。
湿度を見ていくと60%ちょっとなので、おそらく無冷房でも耐えられる範囲かなと思います。そこから直線を描いていきますので、外気が23時に28.6℃まで下がった時に、室内のリビングが30.9℃。つまり0.1度ぐらい下がったということです。でも、ほぼずっと直線になっています

もし家編集部

外気にそんなに影響されないということが分かりますね

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