- 断熱のいい家は熱をためるとなかなか吐き出せない
- 室内の温度が直線的になる秘密は、断熱と蓄熱体
- 3日目~5日目もあいかわらず直線
- その場所に合った性能の家を作るのが、工務店の役割
- 断熱性能が非常に悪い場合には、外気を超える場合も
その場所に合った性能の家を作るのが、工務店の役割
もし家編集部
気密性や断熱性能が高い家っていうのは、基本的に暑くなってきても、外気の影響を受けすぎないということですね
近藤さん
もう一つポイントがありまして、やっぱり日射遮蔽(日除け)が非常に重要なんです。今回の実験時には徹底的な日射遮蔽、日除けをしています。全く太陽が入らないようにスダレ的なものを屋外につけたりしていますので、屋外の影響は受けないんです。
しかし、熱は高い方から低い方に移動しますから、徐々に家の中に移動してきます。移動してきたものがやっぱりなかなか出にくくなるんですよね。外気が夜になると下がりますから、幾らかは出ていくんですけど出にくい。これは保温性が高い住宅の特徴です
もし家編集部
性能が高いがゆえにデメリットもあるということですね
近藤さん
はい。だからこういう仮説が立ちます。「断熱性能っていうのは、高くすれば良いのかっていうとそうではない」ということです。もし、日除けがきちんとできていない家で、断熱性能のすごく高い家に日射を入れてしまうと、もう出なくなるということです
もし家編集部
せっかく性能を高くしても逆効果になってしまいますね
近藤さん
だから、岡山で適した断熱性能っていうのはきちんと決めるべきですし、そうあるべきなんですよね。北海道の超高断熱住宅やドイツの超高断熱住宅を、そのまま岡山で建てたからといって、快適で省エネな暮らしができるかというと、実はそうではなかったりもするんです
もし家編集部
冬はいいとしても、暑い夏に苦労するかもしれないということですね
近藤さん
そうです。冬はいいと思います。だから地域地域、そのエリア、もしくはその場所に合ったものを作るのが工務店の役割というのを常々言っていますから、そういうことも考慮して、断熱性能を選択するべきじゃないかと思います
もし家編集部
非常によくわかりました。断熱の先生っていう感じですね(笑)
近藤さん
そんなことはないですけど(笑)、我々も本当にわからないことだらけで、いろんな建物を今まで作ってきていますが、こうやって実際自分たちが建てた建物を実測・考察して次に活かすということをしないといけないんです。
でないと、いつまで経ってもわからないんですよね。「なぜこうなるのか、なぜこうしたいのにこうならないのか」というのを日々色々と、研究・探究していくことが大事だと思います
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