今回インタビューに訪れたのは、岡山市にある建築設計事務所「スケールクラフト」の社長である赤堀さん邸。
築35年の中古物件をリノベーションしてモデルハウスとして見学会も催すこともある、珍しいコンクリート造の一戸建てです。
社長さん夫妻による本格的なDIYや、味わいのある海外のアンティーク家具など、見所満載のお家を案内してもらい、その後は社長さんにいろいろなお話しを伺います。動画と記事(前・後編)でたっぷりとお楽しみください!
この企画は、岡山県内にある工務店の社長さんの家やモデルハウスにおジャマして、ふだんなかなか見ることのできない自宅を案内してもらうだけでなく、会社のコト・住宅や土地のコト・そして社長さん自身のコトなどなど…ざっくばらんに聞いちゃう企画です!
赤堀さん
【今回の社長さん】
はじめまして、スケールクラフトの赤堀です。
設計士だった父親の背中を見て育ち、設計の仕事をしたくて大学卒業後にハウスメーカーに就職して、2012年にお客様の夢を形にするためスケールクラフト株式会社を立ち上げました。今日はよろしくお願いします。
初谷
【インタビュアー】
初谷といいます。僕自身「もし家」を運営する経営者でもありますので、いつも「もし家」を見てくださっている皆さんの代わりとなって、社長さんにいろいろなお話を聞いてみたいと思っています。
赤堀さん案内によるリノベハウスのこだわりは >> こちらからご覧になれます
リノベーションは“条件の中で遊ぶ”
初谷
今日はお家を見させていただきありがとうございます。
こちら中古戸建をリノベーションしたお家ということで、中古戸建のリノベーションにした理由っていうのはどんなものだったんですか
赤堀さん
そうですね、そもそも新築を建てる建てないという事はまた別として。お客様がこの土地で新築を建てようかなっていう話がでてきたんです
初谷
そうなんですね
赤堀さん
その下見にということで、お客様と一緒にこの土地と建物を見にきて。この建物を解体して新築を建てるんだったらどんなプランになるかなっていうのが、この物件と知り合うきっかけというか、そもそもだったんですけど。その話がちょっとポシャってしまって、ポシャったんだったら「この建物いじったら面白くなりそうだな」「この物件をリノベしようかな」と思いまして
初谷
ここは築何年でしょうか?
赤堀さん
築35年から40年くらいですね
初谷
構造はコンクリート造ですよね?
赤堀さん
そうです、コンクリートの家です
初谷
木造のリフォーム・リノベーションと、コンクリートのリフォーム・リノベーションって考えなきゃいけないことって結構違うものなんですか?
赤堀さん
そうですね、そもそも耐久年数が違うので。本当に木造で言ったら耐久年数が…いい建物だったらいいんですけど、昔の安かろう早かろうのお家だったら、25年も経てば朽ちて建物が傾いたり、雨漏りしだしたりするので。やっぱり見に行ったら「建て替えた方が早いんじゃないか」ってなってくるんですけど。コンクリートだと構造的にはしっかりしてるので、後は表面的な所だけ変えてあげればいいですね
初谷
その分、難しさもあるんですか?
赤堀さん
そうですね。配管が中に通せなかったりするのと、「取っちゃいけない壁、取っていい壁」が出てくるので、間取りには結構制限がかかります
初谷
木造の場合よりも、壁っていうものの重要性が高いっていうことですか?
赤堀さん
はい
初谷
木造だと柱で持たせているものを、壁で持たせている
赤堀さん
そういう事ですね
初谷
特に今回、このご自宅のリノベーションでこだわったというよりかは、苦労したところはありますか?
赤堀さん
苦労ですか、そもそも苦労を楽しんじゃう性格なので(笑)。何かこう苦労しましたかね?
奥さん
苦労ですか? お金の面ではあったかと思うんですけど、2人とも楽しんでできたかなと思います
初谷
ご自身でやられる所も結構おありになるという感じですよね。DIYっていう
奥さん
そうですね
赤堀さん
壁とかも全部自分で塗りましたしね。床の塗装もしたし
奥さん
むしろ、悩まなくていい所の方が多かったかも知れません。わたしは昔インテリアショップで働いてたので、お客様が新築建てる方が、たくさんありすぎて分からない、っていう方が結構いらっしゃったんですよね。リノベーションってやっぱり限られた中でしていくので
赤堀さん
まあ、確かに
奥さん
ちょっと選択肢ができますけど、限られた中でするので迷わなくて済んだというか
初谷
なるほど。それは確かにそうかも知れませんね。ある条件が決まっているので
奥さん
そこで遊べるというか
初谷
いいですね、“条件の中で遊ぶ”って
赤堀さん
いいですね(笑)
初谷
いい言葉聞きました。そうですね、制約があればこそっていう
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リフォームとリノベーションの違い
赤堀さん
新築が今、土地が岡山は余ってるんで、新築を建てた方が簡単だし安いし。掘った所で言うと、工務店さんからしたら儲かり具合が…
初谷
…そうですね
赤堀さん
だから簡単なんで、簡単にお金儲けしようと思えば土地から新築建てた方が早いですけど。ただストックハウスというか、そういった住宅的に3軒に1軒は余りが出てくるこの時代に、そればっかりしてていいのだろうかという、モヤモヤした感じはずっとあって。新築の方が自由で何でもできるんですけど「こういったこともできるよ、できたのがこんな感じよ、いかがですか?」で、ハマる人がいれば、中古住宅をリノベーションした方がコスパというか、コストも安くできるし、っていうのはあります
初谷
特に工務店さんから聞くと、新築よりはリフォーム難しいと言われるじゃないですか
赤堀さん
はい
初谷
それって、多分一般の人はリフォームの方が安く済むから、リフォーム簡単なんじゃないかと思われてる人、実は結構多そうな気がしていて。そう思われますか?
赤堀さん
キッチンなりお風呂なり「ある所の物をやり変える、新しくする」がリフォームですよね。リノベーションでいったら「ある物を間取りから仕様から全てを」っていう、もう少し掘った所の感じなので。だからリフォームの方だったらそんなに難しくないんかな、と思いますね
初谷
こちらはリノベーションですね。フルリノベーション
赤堀さん
リノベーションになると、お風呂の位置を変える、キッチンの形や位置を変える、寝室を例えばリビングにする。そういうのを全部グッチャグチャにするのがリノベだし。大変だけどそこが面白い
初谷
そういう意味でいうと、お客さんとセンスや感覚が近い担当者だったり、そういう方と一緒に楽しみながらやっていけるっていう所でないとリノベーションってなかなか難しいかも知れないですね
赤堀さん
そう。心が広い人じゃないと
初谷
天井にプロジェクターつけようとして、天井を開けてみたらグスグスでできないとか…
赤堀さん
そうそう
初谷
やっぱり壁の中、見てみないとわからない家多いですし
赤堀さん
実際、僕もやるって心に決めたのはいいものの、果たして壁剥いだら裏に何がいるのか分からないまま不安なまま剥いだら、結局下地がもうボロボロでみたいな。ここの家も結構あったので、そこを怒らない人だったらいいんじゃないかなと
初谷
都度都度そういう条件が。こっちかと思ったらこっちしかできなかったとか
赤堀さん
そうそう
初谷
結構、方針転換を常に一緒にしていける、タッグが組める担当者とお客さんっていうのが、まあ信頼関係みたいなものですよね
赤堀さん
ですね、はい
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