ずっと記憶に残るお家にするために
もし家編集部
和モダンっていうものに魅せられたというか、そちらの提案が多くなっていった背景っていうのは何かありますか?
守屋さん
ありますね。多分、年齢的なことも実はあって、若い時は私もシンプルだったり、かっこいいお家がいいなと思っていた時期もあったんです。けどやっぱり皆さん、30代後半ぐらいになると食べ物の趣味も変わってきますよね。脂っこいもの嫌になったり(笑)それと一緒で、衣類とか、身に付けるものも絶対変わっていくと思うんですよ。それが早い人だと30代前半だったり、遅い方だと50になってから、とかあると思うんですけど。例えば30歳で家を建てます、85歳まで元気で住みますってなったら、55年住むじゃないですか
もし家編集部
55年…住みますね
守屋さん
じゃあ、最初の10年間だけの趣味で考えちゃうと、後になってもう少し落ち着いたのにすれば良かったなとか、実体験からも思うんですけど。
なので、岡山の方って30歳前後で家を建てる方が結構多いと思いますけど、まだ趣味が今後変わるっていうことも思っておいていただいて、10年後とかもう少し先を見据えて考えてもらっていいのかなと。さっき言ったように、和に対応できるようにしておくのもいいと思っています
もし家編集部
たしかにそうですね
守屋さん
自分自身もだんだん和がいいなって思ってきているのは、小さい時に住んでいた大阪の家がすごく特徴的なお家で、居間が真ん中にあって、その横にもう一つお座敷と呼んでいる和室があって、そこを廊下がぐるっと回っている家だったんです。昭和2年に建てられた家にしては斬新な家なんですけれど、廊下に面して個室が並んでいるみたいな家だったんで
もし家編集部
旅館みたいですね
守屋さん
まあ、良く言うと(笑)。もっと小さいですけどね。子供の頃にその廊下をぐるぐる何回も回っていて、すごくそれが印象的で好きな家だったんですよ。中学1年生まで住んでいて、そこからは家の事情でマンションに引っ越して、今も実家はそのマンションなんですが、いまだに夢に出てくるのはその小さい時の家なんですね
もし家編集部
そうなんですか!
守屋さん
だからその時の、みんなの身長を柱に書いている感じとか、板がボコボコいっていたなとか、狭いけどみんなでこたつに入って和んでいたとか、そういうことがすごく懐かしかったり、郷愁もあるのだと思うんですが。
綺麗なだけのマンションだと、心に残るものが少ないかなって感じているので、特徴的なもの、自分の家にしかないよね、みたいな場所があると、子どもさんの心にも刺さってくるかなと思っています
もし家編集部
きっと前住まれていた平屋は、間取りが良かったんでしょうね。
子どもの頃の平屋の体験とか戸建てでの体験というか、自分の家って思えるようなものとしてその家があったんですね。それをまた今再現しているみたいな感じもありますかね
守屋さん
意図してかどうかはわかりませんけど、出てきているのかなとは思います。平屋の家づくりとかもやっぱり結構多いですし
もし家編集部
やはりそういう観点と、あとは先ほど言われていた長く住んでいくのであれば、もうちょっと長い目でデザインも考えたほうがいいというところで、一番ちょうどいいのは和モダンじゃないかって事ですか
守屋さん
うまくまとめていただいてありがとうございます(笑)。本当に、そう思います
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