2020年夏に、なんば建築工房による改修工事中の様子を取材をさせていただいた古民家再生住宅。ついに工事完了とのことで、再び「もし家編集部」が見学に行ってきました!古民家再生住宅のビフォー・アフターを、動画と記事でぜひご覧ください!
取材日:2021年3月20日
正田さん
【今回の社長さん】
なんば建築工房の正田です。
昨年取材をしていただいた、工事中だった古民家再生住宅が完成いたしました。お家の持つ歴史とお施主様の思いを大切にし、次の世代へも繋いでいける住まいに生まれ変わりました。ぜひ前回の取材時の様子と比べながらご覧いただければと思います。
※当取材は感染症予防対策をした上で行なっております。
築100年、また100年後へ引き継げる家に
もし家編集部
今日は昨年(2020年)夏に取材させていただいた、築100年の古民家再生のお家の完成した様子を拝見させていただきます!
正田さん
築100年ということで大きく直したところが、大屋根と下屋根といいまして上と下で屋根があるんですけど、その遣り替えと、外壁周りもしっかりと直しました。
古民家とか古い建物でも今時の建物でもそうなんですが、どうしても屋根と、外壁からも雨漏れがするんです。この辺りがきちんと直っていないと建物の傷みが結構進む。こちらのお施主様が、次の世代にも引き継げるような古民家再生をしてほしいということでしたのでしっかり直させていただきました。
正田さん
瓦を変えるというのはもちろんわかると思うんですけど、その下地ですね。2階屋根の角材見えます?あの角材と垂木と野地板というのを変えさせていただいて、その上に断熱もさせていただいてます
もし家編集部
断熱もきちんと施されたということなんですね
正田さん
そうですね。
通常古民家では2階は小屋裏として使っていたんですけど、今回も小屋裏と、半分は部屋としても使えるようにということで、2階の断熱も大切だなと。
なかなか屋根の工事の時にしか断熱ができないものですから、この辺りはご提案させていただいて断熱を入れました
もし家編集部
なるほど!
正田さん
2階の外壁に1階の下屋根が刺さってるんですけど、大きな屋根が雨漏れすることもあるんですが外壁から雨漏れすることもありまして。
こちらの南側手より北側手が結構傷んでたんですけど、外壁と屋根が合わさるところのラインをしっかり修理させていただいてます。これも瓦を遣り替える段階でないとなかなかできないんです
もし家編集部
簡単にはできない工事なんですね
正田さん
気付かれるかわからないですけど、前回の取材の時と、何かが違います!
何が違うでしょう?(笑)
屋根も違うんですけど、何かが違います
もし家編集部
急な質問ですね!(笑)
…壁が…できましたか…?
正田さん
ちょっと惜しいですね〜!
実は玄関の位置が変わったんです
もし家編集部
あ!なるほどー!
正田さん
あと屋根のラインですね。軒が前はそんなに深くなかったんですよ。
やっぱり軒が浅いと建物にとって良くないということと、あとはデザイン的にもずっしりとした重厚感があって意匠的にもいいのと外壁を雨から守るという意味でも、少しわかりにくいところなんですけど変えさせていただきました
もし家編集部
古民家再生するだけでなく、現代風にカッコよくされたりもあるんですね
正田さん
まぁ機能ですね。
日本でいうと高温多湿で雨が多かったりとか、四季によって太陽の光が入る具合とかもあるので、ある程度軒が深い方がいいということで。
それを美しく見せるという機能美という考え方で、うちの大工が丁寧に作ってますので
もし家編集部
いやぁ、美しいです!
建物だけでなく歴史そのものを生き返らせる
正田さん
庭に面したところの大きな石、あれを沓脱石(くつぬぎいし)といいまして、お客様が通られてこっちから入っていく
もし家編集部
昔はお客様を大事にする、ゆっくりしてもらうスペースが作られていたというお話をされていたと思うんですけど、そういうこととも繋がってくるんですかね
正田さん
そうですね。
こちらが南西の角辺りで日当たりが良くて景色がいい場所で、庭が広がるような形で客間から庭が綺麗に見えるようにと
もし家編集部
お客様の視覚的にも落ち着いた空間にするためにということなんですね
正田さん
あとは冠婚葬祭の時はこちらの和室を使うんで、みなさんこちらからどうぞっていうことで入っていただくような間取りになっています
もし家編集部
そういった古民家の歴史もあるんですね
正田さん
それをうまく今の古民家で生き返らせてあげるというのが大切になります