築60年・職人技術の粋が結集した家│古民家再生見学ツアー(前編)

古民家ならではの高い技術力を要する堅固な構造

改修前(写真提供:なんば建築工房)

初谷

古民家の間取りの作りは大体同じなのですか?

正田さん

倉敷の美観地区みたいな町屋とかそういう家じゃなく農家住宅の場合であればほぼ同じような間取りになっています。玄関があって、客間があって、納戸があって、台所がある。でも今の生活スタイルから言うと、ちょっとそぐわない面も正直言うとあったりしますね

初谷

今と昔でどこが違うのでしょうか?

正田さん

古民家では庭が見える、一番景色がいい場所が客間になっています。でも、今だと一番いいところは家族のリビングですよね。昔はお客様を大切にするっていう意味で、お客様が一番いい場所で過ごして、家族は暗くて寒いところ(笑) ここのキッチンも実は暗くて寒いんですが、どうしてかわかります?

初谷

いや、どうしてだろう・・・。なぜですか?

正田さん

昔は冷蔵庫がなかったので、今みたいに明るくてあったかいところをキッチンにすると、食品が傷んでしまう。だから、昔は昔で道理に合っていたんです

初谷

自然の力でなるべく長持ちさせるようにするっていうのが、台所の一番重要な機能だったわけですね

正田さん

はい。ですから、今の時代で言うとこういう古民家も過ごし方が変わってきまして、若い人でしたら客間のあった場所をリビングに改装するという変更もありますね

初谷

構造さえしっかりしていれば、中の間取りをどういう風にしても、当然ながらいいわけですよね

正田さん

そうですね。大体昔のお家っていうのは、柱があって、あとは建具で仕切れるようになっています。例えば結婚式やお葬式などの冠婚葬祭もお家で行っていましたので、そういうときには建具を外して、大広間にしてお客様をお迎えしていました

初谷

確かにここの空間全部をひとつ間にするとすごく広くできますよね

正田さん

はい。これだけ見ると、柱がちょんちょんとしかなくて耐震性が心配ってよく言われるんです。壁が多いのが強いっていうのが今の作り方になるんですけれども、昔の古民家っていうのは柱が少なくてもちゃんと保つようにできているんですよ。先ほどお話しした差鴨居だとか小屋裏があったりしたら、梁が複雑に組み上がって、それの摩擦や復元力で、家がある程度免震でもつような、揺れて保つような形で作られています

初谷

実際にこの家も何十年もずっと、震度4以上の地震などでも問題なかったんですよね

正田さん

もちろんそうですね。昔の職人さんの技術がここに集結しています

初谷

素晴らしい技術ですね

正田さん

はい。日本建築の文化っていうのも、この古民家にはいっぱい凝縮されていると思うんですよ。例えば、お客様が来られた時に季節感を出してお迎えできるようにする床の間。日本人のおもてなしをするっていう気持ちだとか心が詰まっているのがこういう古民家だと思うんです

初谷

おもてなしの心をもって、季節の花を生けるという昔からの文化ですね

正田さん

はい。これから古民家を買われたり、改修されたりする方は、日本の文化も感じながら住んでいただきたいなと思います

初谷

その通りですね!

【もし家編集部より】前編はいかがでしたか?続く後編では、古民家鑑定士でもある正田社長から、古民家再生の費用・技術・見極め方などを聞かせてもらいます! >>こちらからご覧ください!

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株式会社 なんば建築工房

住所 倉敷市児島上の町1丁目11-44[MAP]
電話 0120-780-492
時間 8:00~17:00
定休 毎週日曜・祝日・GW・夏季・年末年始休暇