岡山倉敷の工務店・まんてん.の麦田社長と建房の大森社長に、家づくりの不安や疑問をぶつけてトークしていただく、工務店二社ともし家のコラボ企画です。第2回目は「工務店の社長が建てたい家」とは一体どんな家??今回も、家を建てる前に知って良かった~!と思える内容が盛りだくさんです!
取材日:2020年12月11日
>> 第1回「家づくりのあんなこと・こんなこと 工務店の社長に聞いてみた!」はこちらから!
麦田さん
【今回の社長さん】
有限会社まんてん.の麦田と申します。岡山県倉敷市玉島で建築会社を営んでいます。性能・デザイン・コストの3つを意識しながら、「無理のない資金計画で建てられるお家」を提案している会社です
大森さん
【今回の社長さん】
株式会社建房の大森と申します。倉敷市に事務所を構え、おもに岡山県南が施工エリアです。「人と同じはイヤだ!自分たちらしい家を建てたい!」というお客様に、住み心地が良く、かっこいい家を、手の届く価格でお届けしている会社です
初谷
【インタビュアー】
初谷です。今回は建房さんとまんてん.さんにお越しいただき、皆さんが本当は聞きたいけど聞きにくいこと、疑問に思っていることなどをお聞きしたいと思います。仲の良いお二人なので、ぶっちゃけた話も出てくるのではないかと期待しております!
工務店の社長だからこそ行きついた理想の家の姿とは
初谷
もう一度、家を自分で建てるとしたら、どんな家がいいですか?
工務店の社長がどんな家を建てたいのか非常に気になりますね。これまで多くの家を手がけてきたからこそ思う仕様など具体的に教えていただけますか?
麦田さん
極論を言うと、私の理想は「小さい平屋」ですね
大森さん
あぁ〜、わかるわぁ…。わかる
初谷
大森社長も同意しておられますが、ミニマリズムの世界観ですか?
麦田さん
小さい平屋でちょっと庭がある家がいいかなと思いますね。今は仕事で忙しくしていますけど、長い老後の時間をどう満喫するか。例えば、子供たちが出て行って孫を連れて帰ってきたときに庭でバーベキューしたりとか、老後の時間をゆったりとできる生活がしたいなと思います。バーベキューの煙が気になったりもするので、ちょっと郊外の土地がいいですね
初谷
確かに。現実はなかなかできないですもんね
麦田さん
新しい分譲地も綺麗でいいとは思いますけどね。自分たちがどういう暮らしをしたいかによって、土地も変わるでしょうし、お家も変わりますから、私はそれなりの性能の小さい平屋があれば十分かな
初谷
なるほど。小さい平屋の中の仕様は具体的にどんなイメージですか?
麦田さん
寝室は寝るだけなので四畳半でいいって考えなんです。それよりも共有スペースのリビングはそれなりの広さがほしいですね。あとは毎日使う水回りも充実させたい。子供部屋も最低限でいいかなって考えです
初谷
今までの知識を駆使して、最新で最高のものをすべて投入した「世界に一つの完璧な家」!かと思いましたが、意外な答えでしたね
麦田さん
業界の人間ほど我が家に凝りはないと思いますよ。高性能住宅の会社さんは、性能は絶対だと思いますけど、デザインはそれほどこだわらない方が多いんじゃないでしょうか。
もちろん私も性能は当然こだわりますけど、デザインはシンプルでいいと思います
大森さん
シンプルで、飽きがこない感じがいいですよね。デザインにも耐久性がありますから
麦田さん
家を見ると、大体何年前頃流行った感じだなとか、その時の流行り廃りが結構あるんですよ。流行りよりもシンプルにしたほうが飽きずに長く住めますよね
初谷
なるべく普遍的なデザインにしておいたほうがいいんですね
麦田さん
今の好きなものをデザインに詰め込んでしまうと、家も洋服と一緒で10年もすると好みも変わって、こんなブリブリにしなければよかったとかね(笑)
初谷
言われてみるとそうですね。クロスとか建てるそのときに好きなデザインを選びがちですよね
麦田さん
壁紙は張り替えられますが、外観は簡単に変えられないですからね。間取りを決めるときも「今」のことばかり入れ過ぎてしまいがちなんですよ。子供が小さくて遊ぶところがって言いますけど、子供がハイハイするのはほんの数年で、家には50、60年住むわけですから、間取りもある程度ロングスパンで考えて検討していただきたいなと思います。
建房さんも同じだと思いますが、基本的に長い目で見て考えたうえで、間取りの提案をするように心がけていますね
初谷
なるほど。大森社長は自分がもう一度家を建てるなら、どんな家を建てますか?
大森さん
「コンパクト」「平屋」が理想ですね。2階はいらないなって
初谷
麦田社長と同じような考えですね!
大森さん
コンパクトといっても、狭い家は嫌なんですよ。広くは感じたいけど「無駄に広くなくていい」という意味です。掃除する面積も小さくなるし、固定資産税も安くなる。無駄に広い敷地は必要ないしね
初谷
メリットがいっぱいありますね。
手間やコストなど全てを考えると、「コンパクトな平屋」という結論に至るわけですね。家の中に取り入れたい要素はなにかありますか?
大森さん
性能はもちろん重要ですね。プライベートな話になりますが僕の家、寒い季節は窓がビッチャビチャなんです(笑)。掃き出し窓の結露でビチャビチャに濡れたレールにハイハイしそうな息子が近寄っていくのを見て、すごく残念な感じになる(笑)。「そこは行っちゃいけないよ」って真ん中に息子を慌てて戻す。
性能はそういった意味でも考えないと不自由な部分も出てきます
初谷
目に浮かびます(笑)。やはり結露が多いと痛みにもつながりますよね
大森さん
もちろんそうです。あと大掃除が増えるし
初谷
理想の家は、性能が良くて、コンパクトだけど広く感じられる平屋になるわけですね
大森さん
そうですね。麦田さんが言われたように、家は50、60年スパンで考えないといけないので、「じゃあ2件目!」という方も少ないですから。流行りの家ももちろんいいですが、流行りや好みを入れすぎずに飽きのこない家がいいですね
初谷
なるほど。とてもいいい話しが聞けました。お二人とも理想の家はほとんど同じだったのが、興味深いですね。打ち合わせしたかのようで。仲良いですね(笑)
麦田さん
(笑)
でもね、多分ほとんどの方が「シンプルな平屋」って言われると思うんですよね
大森さん
そうですよね。意外と僕らが気づいているのが、実は平屋がそんなに高くないということ
初谷
そうなんですね!平屋って割高なイメージがありますから、勘違いしている方もきっと多いですね
大森さん
もちろん高くなる要因はありますが、安くなる要因もあるわけですよ。両方見て、メリットも考えたうえで高いか安いか判断しないといけないですよね
初谷
初期のコストだけを見ずに、実際に住んでからのランニングコストとか、手間も含めて考えることが必要なんですね
大森さん
単純に階段がないことで、コストも下がりますし
麦田さん
階段がないだけでも、スペースが減って、全体のボリュームが小さくなりますからね。
2階建ての30坪を平屋にすると、27、8坪になるんですよ。階段部分や、2階のホールがなくなり、階段の部材が不要、外壁の面積も減るので、そんなに値段は変わらないんです。30坪2階建が2000万の家を、27坪の平屋にしたら結局大体2000万くらいなんです。
坪単価で割ると高くなりますが、同じ収納、同じ部屋数、同じ部屋の広さがあって、2階建ても平屋もどちらも2000万と考えると、思ったほど金額に差がないんですよ
初谷
なるほど。知らなかったですね!坪単価で計算するから必然的に平屋が高くなるんですね
大森さん
坪単価の闇ですよね、そこは
初谷
なるほど…これは勉強になりますね!
先ほど、大森社長はご自宅の掃き出し窓の結露が失敗だったとおっしゃていましたが…
大森さん
そうです。「失敗したから次!」というのはなかなか難しいじゃないですか。つまり、最初に知っておけば失敗を防げる可能性があるので、やはり勉強が大事だなと。「安くて、いい家を建ててくれる会社さんないかな」って探す労力も大切ですが、その前に見極められる能力をつけることが、より大事ですよね
麦田さん
本当に安くていい家だったら、もっとその家が建ってますよ
大森さん
そうです。そこの一人勝ちですよ
初谷
とにかく勉強しろ!と。一人一人がテーマに合わせて、考える必要があるわけですね。ありがとうございます!
続く第3回は、家族が安心して快適に暮らせる家づくりを依頼する、「信頼できる会社を見抜く」ためにはどうしたらいいのか?もしかしてうまいこと騙されてるんじゃ…?と不安にならないためのポイントを伝授していただきます。>> 第3回はこちらから
⭐️まんてん.のお家見学記事はこちら!
⭐️建房のお家見学記事はこちら!