【特別企画第6回】余裕をもって返せる額はどれくらい?住宅ローンの真実

岡山倉敷の工務店・まんてん.×建房×もし家のコラボ企画「家づくりのあんなこと・こんなこと、工務店の社長に聞いたみた!」ついに最終回!今回は「気になるのに他人には聞けない住宅ローン」についてぶっちゃけていただきます!重要なのは年収額ではない?!ローンの返済で困らないための大切なポイントがまるわかり♪記事と動画でお楽しみください。

取材日:2020年12月11日

>> 第5回「成功に近づける家づくりの失敗回避術!」はこちらから

麦田さん

【今回の社長さん】
有限会社まんてん.の麦田と申します。岡山県倉敷市玉島で建築会社を営んでいます。性能・デザイン・コストの3つを意識しながら、「無理のない資金計画で建てられるお家」を提案している会社です

大森さん

【今回の社長さん】
株式会社建房の大森と申します。倉敷市に事務所を構え、おもに岡山県南が施工エリアです。「人と同じはイヤだ!自分たちらしい家を建てたい!」というお客様に、住み心地が良く、かっこいい家を、手の届く価格でお届けしている会社です

初谷

【インタビュアー】
初谷です。今回は建房さんとまんてん.さんにお越しいただき、皆さんが本当は聞きたいけど聞きにくいこと、疑問に思っていることなどをお聞きしたいと思います。仲の良いお二人なので、ぶっちゃけた話も出てくるのではないかと期待しております!

幸せに暮らしたいならローンの返済額を見誤ってはいけない

初谷

自分の年収で組めるローンを考えたときに、年収と家の適正金額の目安になる数字はありますか?

麦田さん

よく言われるのが、返済比率が25%程度に抑えればいいとかね

初谷

総支給額に対しての25%が住宅ローンの金額…

麦田さん

一般的にいわれるのが年収400万がひとつのラインなんですよ。
400万以上の方は35%までOK、400万未満の方は30%までと決められているので、25%ぐらいなら無理なく返済できる、という出し方をよくしているんです。
でも、同じ年収400万でも子どもが1人で質素な生活の家庭と、子どもが3人で多趣味な家庭だとしたら、同じ年収でも予算は違ってきますよね。ですから、本来は具体的に深掘りして予算を決めないといけないんです。
年収400万の方が、返済比率35%マックスで借りようと思えば「年に140万、月々11万6666円、今の住宅ローン金利で換算すると約3,700~3,800万」。かなり借りられるんですよ

初谷

結構な金額を借りられるんですね!

麦田さん

年収400万の方のを手取りを考えると月25~26万になるんです。その方が最大12万くらいのローンが組めるわけです。そうなると残り13~14万で生活しないといけない。食費、光熱費、小遣いなどの費用がかかるわけだから普通に考えたら無理だと思う。ですから、今家計にかかっているものをしっかり洗いだしてから予算を決めてほしいんですよ

初谷

ローンが借りられる額と返せる適正額は違うということなんですね

麦田さん

その話をちゃんとしない会社さんがやっぱり多いですね。
なぜかというと、突き詰めて考えていくと4000万の家は無理だという結果になってしまうことが多いからなんです。ということは、予算がどんどん安くなって建築会社にメリットがなくなってくるからですね

初谷

会社としては当然売り上げを上げたいわけですからね

麦田さん

だいたい約2%、50軒に1軒は家を手放していると言われています。予算を決めるときにしっかり考えて気をつけてほしいですね

初谷

家を建てて、早々に手放しているということですか?!

麦田さん

10年以内と言われていますね。自己破産している3分の1が住宅ローンが足枷になっていて、多くはボーナス払いにしていた。今回のコロナの影響で年収やボーナスが下がった人が多いように、思いがけない何かがあっても余裕がもてる計画をしていかないといけない。そういう話を最初にしないといけないんです。性能がどうとか、耐震、断熱性以前の話なので、ちゃんと向き合って提案してくれるかどうかも一つの判断基準になると思いますね

初谷

今の説明はとてもわかりやすかったです。
家を建てられる年収のボーダーラインはありますか?

大森さん

それは建てられる住宅会社さんによると思いますね

麦田さん

そうですね。土地の場所や家の規模、どんな暮らし方をしたいかにもよるのでボーダーはないと思いますよ。
都市部で50坪の土地を買って35坪の家だったらかなりの金額ですが、郊外に行けば土地代も安くて小さい家でいいとなると、予算も半分以下になると思うので

初谷

年収だけで絞るということではないわけですね

麦田さん

その方その方によって違うので。だから今の家計がいくらかかってるのか、お子さんを最終的に大学に行かせたいかどうかなどの教育資金までを考えてご提案しないといけないなと思っています

セミナーでも「金額」は最重要テーマ

初谷

建房さんのセミナーではお金について特にどんな内容をお話しされるのでしょうか?

大森さん

皆さんが住宅に求められる3大要素「デザイン」「性能」「コスト」、どれも取りたいんですが、強いて順番をつけるんだったら一番は「金額」が絶対重要ですね。
こんなこと言ったら銀行と住宅会社さんたちに後ろ指を指されそうですが(笑)
借りられる額と返せる額がそもそも違う。それは住宅ローンの審査の仕組みが問題だと思います。支出を基本見ずに年収の返済負担率を見て判断しているので。
事前審査に収入や勤続年数や家族構成までは書いても、支出に関わる食費いくらとか趣味はなんですかとか書いてないですからね(笑)

初谷

たしかにそうですね。どれぐらいお金を使う人なのか、収入に対して支出がいくらなのかまでわからないですよね

大森さん

そうです。ですから、借入MAX額が予算になっちゃうことが少なくないですね

麦田さん

「銀行がこれだけ貸してくれるならなんとかなるのかな」とか「皆さんこれくらい借りて何とかなっているんだな」とか思うんですよ

初谷

そうですよね。僕も思いました。仮審査が通った時に「よかったですね、これだけ通りましたよ」なんて言われると、「やったぁ」みたいな感じで、その金額でいかないといけないような雰囲気になりました(笑)

麦田さん

リスクも十分わかった上で最大額を使うのはいいですが、実際はわからないままの方がほとんどです。幸せに暮らすために家を建てるのに、建てたら貧相な暮らしで旅行も行けない、子供の友達がみんな持ってるおもちゃも買ってやれないとなると、本末転倒ですから。家を建てるとなると気持ちが高まるのもわかりますが、建てた後からの方が大事なので、家を建てる本来の目的をもう少し意識してほしいなと思います

初谷

何のために家を建てるのかが重要である、と。家に関わるお金についてわかりやすく話していただきありがとうございました。非常に勉強になりました!

いかがでしたか?第1回から第6回までを通して、見えなかった・知らなかったお話、後ろ指を指されそうな突っ込んだお話まで、笑いを交えながらわかりやすくお話いただきました!幸せな暮らしを紡ぐためのお家づくりに、ぜひ役立ててくださいね!

⭐️まんてん.のお家見学記事はこちら!

⭐️建房のお家見学記事はこちら!