【特別企画第5回】成功に近づける家づくりの失敗回避術!

家づくりの聞きたいけど聞けないことを、工務店の社長さんにぶつけてざっくばらんに答えてもらう、岡山倉敷の工務店・まんてん.×建房×もし家のコラボ企画連載第5回目です!最終回直前の今回は「家が完成した後のアフターメンテナンス」について。メンテナンスすることの大切さを教えていただきました。アフターは業者任せ!と思っていた人は意識改革が必要かも?!動画と記事でお楽しみいただけます♪

取材日:2020年12月11日

>> 第4回「ホントのところ、ワルい住宅会社って実際多いの?」はこちらから

麦田さん

【今回の社長さん】
有限会社まんてん.の麦田と申します。岡山県倉敷市玉島で建築会社を営んでいます。性能・デザイン・コストの3つを意識しながら、「無理のない資金計画で建てられるお家」を提案している会社です。よろしくお願いいたします

大森さん

【今回の社長さん】
株式会社建房の大森と申します。倉敷市に事務所を構え、おもに岡山県南が施工エリアです。「人と同じはイヤだ!自分たちらしい家を建てたい!」というお客様に、住み心地が良く、かっこいい家を、手の届く価格でお届けしている会社です。よろしくお願いします

初谷

【インタビュアー】
初谷です。今回は建房さんとまんてん.さんにお越しいただき、皆さんが本当は聞きたいけど聞きにくいこと、疑問に思っていることなどをお聞きしたいと思います。仲の良いお二人なので、ぶっちゃけた話も出てくるのではないかと期待しております!

愛着のある「自分の家」だから「自分」がメンテナンス

初谷

最近、保証制度をいろんな会社さんが独自に提供していますが、
何を聞けば、どんなことがわかるのか、そもそも物差しがないのでわからない人が多いと思うんですが。
アフターまで信頼できる会社を見極める方法はありますか?

麦田さん

うちはアフターはやりませんという会社はなく、どこの会社でもやりますからね。
よくある「60年保証」は、60年間全てタダで直してくれると思っている方が結構多いんですが、「60年間点検します」ということなんですね。10年も超えるとほとんどの会社が有償で直すことになると思います。保証内容も外壁の保証をつけているなど各社いろいろですから、一概に何がいい悪いと言えないところだと思います

初谷

「60年間保証」という言葉のイメージだけが先行していますよね

麦田さん

お客様が「保証」に対してどこまで求めているかでしょうか。軽微なところでいうと、例えばクロスのつなぎ目が開いたとか、戸の開きの調子が悪くなった、などは当然起こり得ることなので、ご自身で直せるように色々レクチャーさせてもらうことはあります

大森さん

意外と皆さん、家のどの部分が経年とともにどう変化するか、こういうメンテナンスをやらないならこの素材は選ばない方がいいとかというのを知らない。メンテナンスフリー、極力メンテナンスしたくないという、日本人のよくあるパターンですけど。僕からすると、じゃあもうちょっと自分でメンテナンスしたくなるような愛着のわく家を建てようよって思うんです。例えば、自分が好きなバイクだったら、頼まれなくても進んでメンテナンスしますよね

初谷

そうですね。メンテナンスするのが好きでやってる面もありますからね。同じように家もメンテンナンスが楽しく感じるようになるといいんですね

麦田さん

スクラップアンドビルドがどんどん進んで、お家に対する元々の考え方が海外と日本では違うんですよね。海外だと、自分で壁を塗ってメンテナンスして今の価値を上げてから家を売って、次はもう少しいい家に引っ越すっていう考え方なんです。日本は「中古物件」ですけど、海外では「ビンテージ」って言うんですよ

初谷

言葉の意味もイメージもまったく真逆ですね!

大森さん

価値は上がってますよね

麦田さん

そうなんですよ。だから海外ではメンテナンスを自分でするんですよ。そこが日本と海外の違いです。だから日本は中古・空き家が社会問題になっていますけどね

初谷

基本的に、アフターは自分たちで愛着を持って家をメンテナンスしていくことが前提としてあって、加えて工務店さんに保証や定期的な訪問で見てもらうのがいいんですね

麦田さん

そうですね。もし何かあったときには連絡をして迅速な対応をしてもらうのがいいでしょうね。メーカーさん独自にメンテナンス部門を設けている場合もあるので、いろいろ質問して判断するのがいいと思います

初谷

先ほどの「60年保証」はどのような仕組みになっているのでしょうか?

大森さん

各社いろいろな形がありますね。ただ、一律して言えることは「ある程度のメンテナンスをしていく必要がある」ということです。「60年間無償で何でも直しますよ」って意味ではないので

初谷

10年、20年のところで、メンテナンスを有償でやったら更新されるということなんですよね。60年の権利を持っているイメージでしょうか

麦田さん

定期的に正しいメンテナンスをしていただければ60年間は面倒見ますよって話でしょうね

初谷

例えば、家を建てて通常10年後に保険外になったあとはどんな対応になるのでしょうか?

大森さん

それはもう有償になっちゃいますよね、基本的には

麦田さん

何かあれば、その都度ご連絡いただければ当然行きます。中には10年経つと生活様式が変わって、仕切っていなかった子ども部屋を仕切るなどのリフォームが必要なお家もでてきますし。
でも、実家に住んでいて大きな不都合が出ているかっていうと、実際はそれほど出ていないですよね。機器的なものはいろいろ出ますけど、そもそも「不都合が起きにくいシンプルな形の家」が大前提ですから。
雨漏りなんかでも、屋根がごちゃごちゃ組まれていたり、ベランダをつけると当然雨漏りのリスクも高くなりますからね

初谷

お話を聞いて、アフターがきちんとしているかどうかは、業者任せのイメージでしたが、まずは「自分」でやらなければいけないという意識を持ってもらいたいと住宅会社さん側は思っていることなんですね
そのためには、先にそういったお話をきちんとしていくということをお二人はされているわけですよね

麦田さん

そうですね。最初にシンプルなものを建てておくほうが、後々いろいろな意味でいいですから

失敗が少ないのは至極シンプルな家!

初谷

今聞いて気が付いたんですが、バルコニーがあると雨漏りしやすくなる可能性が高くなるんですか?!

麦田さん

圧倒的に高くなりますね。
これ言っていいのかな…(笑)バルコニーの防水工事をする業者の社長さんとプランを作るときに「バルコニー絶対要りますよね?」と言うと「バルコニーは漏れるのでいらないです」って言いました(笑)。何百棟も工事をされてきた社長さんのこの一言が答えだと思います(笑)
メンテナンスの費用もかかりますし、バルコニーでしたいことが家の中や他で満たされれば、作る必要がないと判断する方も増えてきましたね

大森さん

バルコニーに求める利便性って、洗濯干す、布団干す、以上(笑)。そこでコーヒー飲むとかしないですから。憧れて作りたいのもわかりますけどね

初谷

なくても困らないなら、なくていいということですね。
最近は洗濯物を干す部屋を作るパターンも多いので、洗濯を干す部屋があればバルコニーはいらないじゃないかとなりますね

大森さん

面白い話で、中には「いやでもやっぱりお日様の匂いが…」という方がいて。最近はお日様の匂いの消臭スプレーがあるらしい(笑)それでいいじゃないですか!と(笑)。布団も室内に干したり、干し場を使ったりすれば解決できますからね。一番有効なのは真夏の車の中らしいですよ。70度の車内で逃げ場がないですからね(笑)

初谷

バルコニーがなくても、お日様の匂いもテクノロジーで解決でき、布団のダニも熱々の車内で死滅させる原始的な方法があるということですね(笑)
アフターの話から思わぬ展開になりましたが(笑)、アフターは自分たちでやることが前提だということがよくわかりました

大森さん

誤解がないようにお伝えしておくと、「だから僕ら知らない」って話ではなくて、建てた業者の責任としてのアフターメンテナンスはもちろんしないといけないんですが、お施主様も「自分の家」という意識を持った方がお互いに幸せになると思います

初谷

無駄な手間を省くためにもシンプルな家を、自分でメンテナンスする。本当に今までの自分の意識を変える必要があるなと感じました

ついに次回は最終回!ラストはみんなが気になる「住宅ローン」の話です。家を建てたあと家族が幸せに暮らすために知っておくべきお金の大事なこと。具体的な数字でわかりやすい説明に一同納得です! >> 第6回はこちらから

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