【近藤建設興業】陽射しの差し込む、総社の高気密・高断熱の家 | 後編

「家を1つの部屋と考えてエアコン1台で暖める」を実現した、総社市にあるHさん邸。お家を案内いただいた前編に続き、この後編では施工をされた近藤建設興業の近藤社長に、断熱材・気密測定・第一種換気とダクティングといった興味深いお話しを聞くことができました。お楽しみください!

前編は >> こちらでご覧になれます

【今回の訪問者】

もりちゃん

もりちゃんです。前回、近藤建設興業さんのOB邸見学をした「もし家メンバー」のつっちゃんの話を聞き、寒くない家を是非体感してみたいと思い参加しました!

えり

えりです。建房さんの見学に続き2回目の参加となります。今回も楽しみにしてきました!

Hさん

はじめまして、Hと申します。近藤建設興業さんと練りに練って実現した我が家をご案内します。何か質問があったらどんどん聞いてください。よろしくお願いします

※本記事ページでは、読者の皆さんへ見学に訪れた感覚をできる限りそのままお伝えしたいと考えており、会話の内容はほぼ加筆修正せず書き起こし、写真もなるべく加工せず用いています。皆さんもぜひお友達と一緒に訪れた気持ちでお楽しみください。また、掲載の間取りは簡易図となり、実際とは異なります。

断熱材は工場で作るべき

もりちゃん

このお家の断熱は何になるんですか?

近藤さん

ウレタンを使っているんです。しかも工場生産の発泡ウレタンです。現場で作るウレタンは使うべきではないと思っています

もりちゃん

え…? その違いは何なんですか?

近藤さん

現場で断熱材を作るということは、要は断熱材の材料の温質の管理が難しいはずなんですよ

もりちゃん

…できないですね。野外ですもんね

近藤さん

雨降ったり風吹いたり、暑かったり寒かったりするじゃないですか。あとそもそも人の手によって作っているわけですよね。だから技術力の差もあると思いますし、あとは現場でシューっと発泡させるので、発泡させたものは縮むんですよ

もりちゃん

そうなんですか!

近藤さん

最初はありますよ、10センチくらい。でも時間たったら縮んじゃうんですよ。縮むのはみなさん見ていないわけですよ、壁の中だから

もりちゃん

時間をかけて縮んでいく?

近藤さん

時間をかけて縮みます。膨らんだものは縮みます。やっぱりいっぱい壁の中に入れたいっていう心理があるので、いっぱい吹き付けしていくじゃないですか。そうすると壁から出てきちゃう、壁より厚くなっちゃうんですよ。厚くなると壁貼れないじゃないですか。どうやって貼っていると思いますか?

えり

削っているとかですか?

近藤さん

そう、削っているんですよ。実際に見られたらわかります。断熱材を削ったらアウトなんですよ

もりちゃん

そうなんですね、薄くなるからとかではなくて

近藤さん

要は断熱材っていうのはセルっていう整列した気泡がいっぱい集まった塊なんですよ。だからセルっていうのがいっぱい整列している塊を削っちゃうと、セルに傷が入るわけですよね。そこから入っちゃいけないものが入っていくわけですよ、例えば湿気とか。複雑な構造なので湿気が入ると出てこなくなるんですよ。だから現場の発泡ウレタンっていうのは過去岡山でも事故がいっぱい起きています。壁の下から赤い水ができたり、青い水が出てきたり

もりちゃん

え…

近藤さん

それは内部結露を起こしているんです。現場の発泡ウレタンの結露保証ってないですし、できないんです。なので現場で作る断熱材の保証はできない。だから断熱材は工場で作るべきだと考えているんです

気密測定しない家はよくない

もりちゃん

工場で作る発泡ウレタンって板みたいなものですか?

近藤さん

板です。カチカチの板です。20トンくらいのプレスをかけてますからね。だからもう縮まないです。当然温湿度を管理していますし、作るときも温湿度を管理している。きちんと保証がついているんですよね、断熱材に。だからそういうものを使わなきゃいけないんです。だからグラスウールでも良いんです、工場で作っているんですから

もりちゃん

逆にじゃあ今のお話でいうと、現場で作るウレタンよりグラスウールの方が良いんですか?

近藤さん

そう思います

もりちゃん

そうなんですね!

近藤さん

その代わりグラスウールってすごく技術がいるんです、施工するのに。グラスウールって割と安い断熱材なんですよね

もりちゃん

あ、そう聞きました

近藤さん

でも性能はちゃんとあって、割安なんですけど、割安だったらどういうことになるかっていうと、一般的に安い家に使われるんですよ。安い家だから安い断熱材使った方が良いじゃないですか。安い家には一番良くないのは、職人さんの賃金も安い場合があるんです

えり

うんうん

近藤さん

安い家に高い賃金の人は雇えないという事情もあるので。だから安い賃金の人が安いグラスウールを使って工事をしていきます。そうすると知識や技術力の差も出てきてしまい、事故が起きる場合があるんです

もりちゃん

グラスウールの事故ってやっぱり内部結露をしているんですか?

近藤さん

そうです。上手に施工ができていない場合に湿気が入るんですよ

もりちゃん

それって住んでいる私たちはわからないんですか?だんだんわかってくるんですかね?

近藤さん

だんだん分かってくるはずです。気密測定もしていないと思います

もりちゃん

よく言われるのは、全棟やっぱり違うので、時々測ってますというところがあったんですけど…

近藤さん

キチンとした方が良いと思います。気密測定をキチンとして、断熱材は工場で作ったものを使う。それをオススメしています

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