【近藤建設興業】陽射しの差し込む、総社の高気密・高断熱の家 | 後編

地盤改良は設計士の仕事

もりちゃん

あとすみません、お金の話に戻るんですけど、35坪で大体70万坪単価っていうことだったんですけど、単純計算したら2500万くらいだと思うんですよ、単純計算で。プラスでどのくらいの値段を見ないといけないとかありますか?

近藤さん

プラスで、土地を選ぶときの値段によっては地盤改良が必要になりますから。岡山はほぼ必要だと思っておかなければいけないですよね。県南は全部ですね

もりちゃん

ちなみにこのお家はどうだったんですか?

Hさん

ここはもともと鉄筋コンクリートの大きい建物があったんですよ。そのあとに建てているので、地盤改良はしていません

もりちゃん

それは調べなくても良いっていうことですか?

近藤さん

調べた結果です

もりちゃん

やっぱり調べるのは調べるんですね

近藤さん

岡山県っていうのは南部は腐植土っていう土が、いわゆる昔の枯葉とか木とかが腐って堆積している腐植土っていうのが必ずいるんですよ。表面はちゃんとしていても間に腐植土っていうのが必ずいて、腐植土が上から風がかかることによって年数が経つとだんだんだんだん沈んでいくんですよ。これはもうそういう地域なんですよ、岡山って。だからその腐植土の層によってやっぱり改良方法が違っていたり、長い間それの重たいものが乗っていたらぺったんこになったりして。それがいらないところもあるんですけど。これも面白い話なんですけど、実は地盤って、家を建てる設計者が設計しなければいけないんですよ

もりちゃん

地盤ですか? なんだかそれは別会社のイメージがありますが

近藤さん

「別会社でやっています」っていう会社さんには頼まないようがよいと思います

もりちゃん

そうなんですね!

近藤さん

そもそも家を設計する設計士が地盤もちゃんと勉強して調査して、設計士が改良の方法をきちんと設計しないといけないんですよ。ですが最近は地盤改良会社がやって、その会社が調査して、その会社が都合の良い方法を設計者に提案して、設計者は「お願いします」っていうその流れが慣習になってしまっているんですよ。なんでそういうことができないかっていうと、設計者自身が地盤の勉強をしていないからなんです。建築設計って地盤が科目にないんですよ。ちょこっとありますけどね

もりちゃん

もともとがそうなんですね…

近藤さん

勉強しなくても設計できると思ってしまっているんですが、本当は違うんです。だからもし地盤改良をしたとしても、事故が起きたら責任は建築士なんですよ、家を建てた。地盤改良会社は関係ないんですよ。設計者の意思でやりましたっていうから

もりちゃん

…それちょっと責任がないように感じますね

近藤さん

そうそう。だから地盤改良会社がやっているのはあくまでも調査して、データが出ます、そのデータを見て建築士が「この改良方法にしよう」というのが提案なんですよ。それが逆提案だから地盤改良の会社がめっちゃ儲かるんですよ。言い値ですもん。事故が起きても保険かかってるから、地盤改良会社は痛くないんですよ

もりちゃん

なるほど

近藤さん

責任は本当は建築士なんですよ。そもそもそれがわかってない。構造も一緒なんですよ。今住宅っていうのは1号2号3号っていう建物が種別的にに分かれてるんですけど、住宅は4号って言われているんですよ。1,2,3,4の4です。4号建物っていうのは今役所に申請するときに、構造計算書をつけなくても良いんですよ

もりちゃん

そうですよね、3階建じゃなければつけなくても良いと聞きました

近藤さん

つけなくて良いんですよ。でもつけなくても良いんだけど、構造計算はしなければいけないんです

もりちゃん

してるって謳っているところが1社だけあったんですけど

近藤さん

していない会社が多いと思います。「出さなくても良い=しなくて良い」って思ってしまっているんです。この業界にはおかしいところいっぱいありますからね。出さなくて良いだけで、計算はするべきなんですよ。向こうは出さなくて良いと言っているだけなので、しなくて良いとは言ってないんですよ。でもしていない建物がほとんどですね

もりちゃん

どういう会社さんがやってるんでしょうか?

近藤さん

どこがこう簡易的にやっているかっていうと、プレカット工場っていうところがやっているんですよ。骨組みを作る工場っていうのがあるんです。その工場の人が一生懸命頑張ってやってます。建築士はやってないんです

もりちゃん

そうなんですね…

近藤さん

だから本当に恐ろしいですよ。ただ岡山は今までそんなに大きな災害はありませんでしたし、今回大雨はありましたけど、大きな地震は起きていませんし、そういうことです。起きたら大変なことが起きますよ、多分。そう思います

もりちゃん

南海トラフは来ると言われてるので、いつ何が起きるんだろうとは思いますけど

近藤さん

これからくるかもしれないですしね、わからないです。確率の問題なので

近藤建設興業の家に住んで気づいたこと

もりちゃん

プラスで値段を見ておいたほうがいいのは…土地の改良と、プラス何を?

近藤さん

土地の改良と、あとエクステリア(外構)ですよね。大きなところはそれくらいでしょうね。あとは土地を買うと仲介手数料かかったり、水道引くと水道費がかかったり、あとは役所に払うお金だったり登記があったり火災保険があったり、いわゆる経費っていうやつですよね

もりちゃん

だいたい皆さん最初に出してもらった見積もりよりも高くなるっていうんですけど、それらを見ててもやっぱり思っていたより高くなりますか?

近藤さん

結局全部入れてない場合があるんですよね。さっきお伝えしたように「やっぱりカーテンは別なんですよ」とか言って後から30万。「照明も別なんですよ」とか。「エアコンもないんです」って言ったら後から20万。それらで100万近くなっちゃうんじゃないですか?

もりちゃん

この70万の中にだいたい標準仕様みたいなものがあるんですか?

近藤さん

ありますね

もりちゃん

今回でいうとHさんも金額はだいぶ変わってますよね? こだわりもあったでしょうし、あの洗面所とかも標準ではなかったんですよね?

近藤さん

でも洗面、化粧台は既製品で、タイルだけ貼っているんじゃなかったですか?

Hさん

そうですね。タイルは「こういうのにしたいです」って(笑)

近藤さん

あとは床をムクにしていますよね。ムクはオプションです。普通はフローリングです

もりちゃん

2階もムクですか?

近藤さん

2階はフローリングです。キッチンもアイランドなのでオプションですね。でもそんなもんですよね

Hさん

そうですよね

近藤さん

だからまぁ、いくら建物の大きさが変わろうが金額が変わろうが、耐震性能とか断熱性能とか、断熱気密性能っていうのは変わりませんよということです

もりちゃん

年数が変わっても気密性能とかって変わらないんですか?

近藤さん

若干劣化はあると思います。ゼロではない。だから最初が肝心なんですね。スタートが違う。30年後くらいからスタートしていると全然違いますから。だから気密はちゃんとやっておかなければならない

Hさん

最後に感想というか、僕が住んで気づいたことをいいですか?
最初「光」で選んだんですけど、今日も普通に一人で色々しているときに「あれ?2階とか電気ついてるかな?」と思ったら光が、日光が入ってきているだけで「電気はついていなかったんだ」ってなったりとか、寒い暑いとかっていうのは特には感じないです。あと、住んでいて余り外の周囲の音が聞こえにくいのがあります

もりちゃん

あ、防音的な効果もあるということですね

Hさん

全然気にならないという感じですね。あと外壁に関して僕もちょっと色々勉強した中で、普通の白いのをペタッてはるだけじゃなくてちょっと凹凸とかあった方が汚れとか目立たないかなって思ったんで、そこは自分で勉強して外壁のデザインはこれが良いですって言ったくらいで。そのランニングコストじゃないですけど、はたから見て明らかに汚いなっていうのは無くしたいと思ったので、そこはそうしましたね。
あと一番はここに住んでいて、やっぱり凄いなっていうのが、ここ田舎なので、周りに田んぼが結構あるんですけど、実家に住んでいた時は結構イネの花粉に弱くて、イネの夏の後、秋前の時期とかアレルギーが結構酷かったんですけど、今年はそんなことなくて。そこが住んでいて一番良かったかなっていうところです

もりちゃん

そうなんですね。うちもやっぱり子どもが花粉とかそういうのに弱いので、湿疹が出たりとかひどいので…

Hさん

そこは住んでて良かったかなっていうのはあります

近藤さん

家の外に出た時に雨が降ってるのにビックリしたりね(笑)、外に出たらすごい寒くてビックリしたりね

えり

そんなに!

Hさん

「今日は3℃なんだ!」ってビックリしたり。玄関開けた時に「こんなに外は寒いんだ?」みたいな(笑)

もりちゃん

このお家は全然寒くないですね。足元も。
色々とお話し、本当にありがとうございました

えり

勉強になりました。
ありがとうございました

訪問を終えた二人の感想

もりちゃん

お邪魔した日は朝、凄く冷え込んでて…どのくらい家が暖かいのかを楽しみに伺いました
家の中に入ると…本当に寒くない‼
エアコンも電源はつけていないと…
普通ならひんやりして当たり前の洗面所も階段も全く寒いがないことに驚きました
陽の光が沢山家に入るように設計されていて、部屋も明るくて、とても心地よい居心地のよい空間でした
蓄熱タイルも冬は太陽の熱を蓄熱して部屋を暖め、夏はエアコンの冷気を溜めてくれるということにも驚きました
エコで省エネ、そしてそこで生活する人にも本当に優しい家でした

えり

日のあたり方や温度、環境のことも考えられていて勉強になりました。また、断熱材や換気についても知る事ができ、有意義な訪問でした。
本当にエアコンがついていなくても室内温度が下がらず暖かいままで、驚きました!

「もしも家を建てたなら」では、マイホームの夢を叶えた先輩のお家や、住宅会社・工務店のモデルハウスや完成見学会に訪問して、インタビューをしてくれる皆さまを大募集しています。
お家探しのヒントが見つかるこの訪問・見学に、ぜひお気軽にご参加ください。



HOUSE DATAハウジングデータ

延床面積 124.20㎡(37.57坪)
工法 木造軸組剛床工法、木造軸組パネル工法、高気密高断熱高耐震工法、制震工法
家族構成 ご夫婦
竣工年月 2019年7月

この家を建てた工務店・住宅会社

株式会社 近藤建設興業

住所 岡山市北区津島京町1-1-12[MAP]
電話 086-255-0221
時間 10:00~19:00
定休 毎週水曜日