現代の暮らしに合わせた古民家再生住宅|古民家再生見学ツアー(前編)

古民家の不安「寒さ」と「耐震」もこれで安心!

正田さん

古民家の三大不満の一つ「寒い」を解消するために、第一に「窓」を変えます。今時だと木製のサッシを使うこともありますが、こちらのお家はペアガラスを入れました

もし家編集部

寒さ対策の一番は窓なんですね

全面窓でもペアガラスで寒さ対策
大きな窓から入る陽のおかげで植物も生き生き

正田さん

窓ですね。あとは板の間や畳を変えるなど、床の工事がある時に床下に断熱を入れることですね

もし家編集部

畳、もしくは床の下に断熱材を入れるとだいぶ変わりますか?

正田さん

変わりますね。あとは外壁にも断熱材を入れられるかどうかは、リフォームの範囲にもよりますが、壁をある程度壊して改装する場合は断熱材も入れたりします

もし家編集部

外壁を壊すまではしない場合は?

正田さん

土壁のままですね。やはり「隙間」があると寒い場合が多いので、梁と土壁の間や縁側の床などの隙間を埋めていくことで、だいぶ寒さは軽減されます

もし家編集部

なるほど。やはり隙間があるんですね。
昔の家の場合は、耐震などの対処もほとんどされてないように思うのですが、リフォームするときに何かされることはあるのでしょうか?

正田さん

今のお家は壁の量が多いと家が強くなるので、コンクリートの基礎をして壁をとって、金具でつないでいくやり方で耐震をもたせます。古民家の耐震は、今のお家と違って金具がなかったので、木と木を合わせた摩擦と木の粘り、復元力である程度揺れて保つやり方にしてあるんです

もし家編集部

何か特別に耐震工事をすることはないんですね

正田さん

耐震を心配されている場合に、柱・壁を若干増やすこともありますが、基本的には建物の足元で傷んでいる部分をしっかり直してあげることですね。元々、古民家は柱や壁がなくても十分保つような構造になってることが多いです

もし家編集部

100年以上超えるような古民家の場合は、揺れなどにも十分保つような躯体になっているので、元々の力を発揮できるようにしてあげるというのが改修すべきところというわけですね

正田さん

そうですね。今のお家と昔のお家っていうのは考え方が違いますのでね

2階のプライベート空間はコストを抑えた作りに

扉を開けるとなんと階段が!

正田さん

トイレの向かい側にあるこちらの扉、収納や部屋ではなくて、忍者屋敷のように階段になっています(笑)。昔は2階が小屋裏だったので、はしごのような階段がかかっていたんですが、上りやすいように階段を別の位置に掛け替えて南の明るいほうに向かって上っていきます

もし家編集部

まさか階段とは!

正田さん

階段の位置をどこにするかはプランニングでも結構難しいところです

改築当時(写真提供:なんば建築工房)
改築当時(写真提供:なんば建築工房)
改築当時(写真提供:なんば建築工房)

正田さん

元々物置のような中二階の形で使われていた2階を、寝室とプライベートの部屋にしました。お施主様が勾配天井にすると梁に埃が溜まるんじゃないかと心配されていたので、あまり手をかけずにできたらいいなというご要望で、天井は板を真っ直ぐ張ってあります。2階は、ほとんど昔の小屋裏のままという感じですね

もし家編集部

なるほど、2階は手がかからない要望に合わせているんですね

正田さん

2階にはプライベートなお部屋が2部屋あります。アンティークな懐かしい感じのガラス戸も今ではなかなかないですよね。あと、組子があったり…。組子の建具も結構手がかかりますので、今となっては貴重ですね。
僕らもいいものがあったら、古民家の解体の時に残して、お施主様のお家に使ってあげたりとかしますね

もし家編集部

今はなかなか作られていないんですかね

正田さん

やはり職人さんが少ないことと、わざわざオーダーして作ろうと思う方も少なかったりしますからね。今あるものを大切に残すようにしています

もし家編集部

雰囲気が良くて、懐かしい感じですよね。「また来た」感じが何とも言えない良さです

正田さん

古民家でもどの範囲まで直すかバランスを見ながらが大切ですね。このお家も約60坪あるので、1階も2階も全部をフルに全力で直すとなると費用も掛かるので、コストのバランスを見て、1階部分にしっかりと費用をかけて、2階部分は費用を少し抑え気味にしたりですね

もし家編集部

友人や、お客さんが2階に上がることはないので、家族だけのスペースですからね。コストとのバランスもしっかり相談しながら進めるのがいいですね

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COMPANY DATAこの家を建てた工務店・住宅会社

株式会社 なんば建築工房

住所 倉敷市児島上の町1丁目11-44[MAP]
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定休 毎週日曜・祝日・GW・夏季・年末年始休暇