【近藤建設興業】住宅性能とパッシブ設計で健やかな暮らしを叶える家|vol.4 断熱とヒートショック編

【今回の訪問者】

つっちゃん

こんにちは、つっちゃんです。もし家2回目の訪問です!現在、主人・子ども(1人)と賃貸の戸建てに居住中。今すぐではないけれど、いずれはマイホームが欲しいな。もし家コミュニティに参加して、少しずつ情報収集をしていけたらいいなと思っています♪

Tさん

こんにちは、Tです。一年通して、いつも心地よく暮らせています。ぜひその心地よさを体感してみてください

高気密・高断熱・高耐震性能と自然の力を取り入れたパッシブ設計の住まいで知られる近藤建設興業施工のTさん邸を訪問したつっちゃん。第4回は、工務店とハウスメーカーの家の違い、 冬場に気になるヒートショックについて教えてもらいました!

【近藤建設興業】

住宅性能とパッシブ設計で健やかな暮らしを叶える家

包まれるような温もりに驚いているつっちゃん
世界に一つしかない、造作テレビボード(つっちゃん撮影)
外からの視線が気にならない地窓は、通風や採光もGOOD(つっちゃん撮影)

地元工務店とハウスメーカーの違い

つっちゃん

パッシブ設計っていうのが近藤建設興業さんの強みなんですか?

近藤社長

そうです、最大の特徴です。実はパッシブ設計ってやつも、自然の恵みっていうとなんか曖昧なんですけど、めちゃくちゃ理科的に物理的な話なんです。熱がどのくらい伝わるか、熱がどのくらい逃げるか、何時間でどのくらい逃げるかとか。それを熱に換算したりとか、すごい理科的な話であって、曖昧な話ではないんです

つっちゃん

あ、そういえば。計算ですね!

近藤社長

でもだいたい今一般的に世の中で流行っているのは、曖昧な話です。要は、昔からの間違ってる経験と勘がずっと続いているんですよ。だから正しいことをして、それから正しい経験と勘っていうのが構築されていくんですけど、なかなかそういう家って今少なくて

つっちゃん

どういうことですか?

近藤社長

典型的なのが、ハウスメーカーさんって岡山に建てる家も、東京に建てる家も一緒です。岡山には岡山の気候風土があるんですけど、そうなると全然合わないですよね、基本的には。家を全国展開するっていう考え方がそもそも無理なんです。なんでそんなに家を工業化して量産しないといけなかったかっていうと、それは日本が戦争に負けちゃって経済がやられて家が無くなって、量産する必要があったからなんです

つっちゃん

はぁー!そうか、そうですよね!

近藤社長

今の経済って全部そうなんですよ。家電製品なんかでも、15年しか持たないようにつくってあるんですよ。長く持っちゃうと経済効果が無くなる。家もその1つだったんです。家も早く壊れた方が良かったんです、今まではね

つっちゃん

そういう実情があったんですねぇ…

近藤社長

日本の国がそういう主導をしてたんですね。人口が増えてる時は良かったんです、それで。でも、もう人口ピークは終わった。だからこれからは、もうそんないっぱい家造る必要は無い。少なくてもいいから良いものをつくって、今度こそ長く使う時代がやってきたということなんです。そして、そういうのは地元の工務店がやらないといけないってこと。ハウスメーカーの家に岡山仕様なんてないですから

つっちゃん

工場でつくったのをそのまま持ってくる家とかもあるんですよね

近藤社長

そうですね。
でもハウスメーカーさんの良い所は、たくさんつくっても品質が均一なんです。まあ工場でつくりますからね。でも値段と品質が合ってないとか、地域に合ってないっていうデメリットがあります。当然、住宅会社も手づくりでいっぱい家を造ると、品質がバラつくんですよ。いっぱい造ってると信用ありそうな気がするでしょうけど、全部手づくりってことは、ひょっとしたらハズレもあるってことなんです。実際ハズレが出てるから、ネットが炎上したり、皆さん文句を言ったりしてるんですよ。それは、手づくりでいっぱいつくろうとするがゆえのひずみですよ

つっちゃん

うーん、なるほど…!

近藤社長

いくら会社の決まりがあって現場監督がいて、工法が決まって資材が決まったとしても、つくるのは人間ですからね。同じものはつくれないです。いっぱい造れば造るほど、品質がバラつくリスクは高くなる。中にはめちゃくちゃ技術・知識のある住宅会社もあって、いわゆるスーパー工務店っていうんですが、岡山でも十数社あります。だからそういうところを勉強して探して、上手くマッチングしたら初めて良い家が建てられる。ハウスメーカー以外で家を建てようと思うと、めっちゃ勉強しないといけない

つっちゃん

その、住宅会社を回る時に見るポイントとかってどうなんですかね。
私、本当にまだ全然回れてなくて無知なんですけど、専門家の方が家づくりで見る点でポイントってありますか?

近藤社長

見るポイントは、情報を視覚から入れたら駄目だっていうことです

つっちゃん

へぇー…あ、でも、入ってくるのは視覚ですよね?

近藤社長

そう、視覚なんです。あと聴覚。営業マンさんの言う言葉と、見た目しか入ってこないんです。でも本質って全然違いますからね。極端な話、例えば目を瞑って10分ぐらいじっとしとくとか、空気を感じるとか。本当は機械で色々測定することは簡単にできるんですけど、そんなん持って入ると多分嫌がられますから(笑)。空気感とか、やっぱり五感。目と耳以外の五感を物凄く研ぎ澄まして感じることが大事じゃないですかね。後は、長く居れる空間かどうかってのも非常に重要です

つっちゃん

そこで生活しますもんね

近藤社長

そうです。要はほっこりするような感じ。暖房してると暖かいですけど、モワッとする暖房ってあるじゃないですか、でも足元寒いな、みたいな。そうじゃなくて、ほっこりする。そういうのは長く居ないと分からないんで、長く居れるなって思うとその家は多分良い家です

つっちゃん

へぇー!

Tさん

へぇー!
今更ながら勉強になります(笑)

表面温度と体感温度の関係

つっちゃん

でも本当に全然寒くないですよね。今日寒かったですよ、私の家。築30年で(笑)

近藤社長

そこに温度計ありますけど、今室温20度です。20度ってそんなに暖かくないですからね

つっちゃん

あれ、確かに

近藤社長

20度でも寒く感じないのは、この床とか壁とか天井の表面温度が近いからなんです。体感温度っていうのは、表面温度と室温の平均なんですよ。特に、床の表面温度に人間って敏感です。人間の肌って30度あるんですよ。熱っていうのは温度が高い方から低い方にしか動かないんです。ということは、30度ある人間の表面温度は、低いところに全部吸い取られちゃう。寒いところが冷たく感じるのは、低温に吸い取られてるんです。熱が移動してるんですよ、凄い理科的な話ですけど。だから断熱の悪い家っていうのは、表面温度が凄く低いので、いくら暖房を効かしても暖かくならないんですよ、体感的にね

近藤社長

これは放射温度計と言って、レーザーが当たったところの温度が測れるんです。今、あそこのタイル壁面が19.5度、床も今19.9度、天井は20度。ほとんど室温と変わらないでしょう。だから寒くないんですよ

つっちゃん

ほんとだ!室温とほぼ同じ!

近藤社長

だからこういう物を持って見学に行けば(笑)

Tさん

持って見学…(笑)

つっちゃん

(笑)あはははは!いいですねー!

近藤社長

これだったらすぐその住宅会社の実力がわかっちゃいます

年間18,000人が…!? ヒートショック問題

つっちゃん

え、じゃあこのおうち、お風呂とかも全然寒くないですか?

Tさん

実家に帰ったら寒いんですよ。だからここはそれだけ暖かいんですよね

つっちゃん

最近は浴室暖房とかあるじゃないですか。それつけてなくても?

Tさん

寒い時もつけてないですね

つっちゃん

そうなんですね〜!うらやましい…
その温度計いいなー!(笑)

近藤社長

ネットでね、3000円くらいで売ってますよ。
これ持って歩いたら、全て分かります。これ肌に当ててみてください。何度あります?

つっちゃん

…31.5度あります。本当だ、肌って30度くらいなんですね。
もう今なにが嫌って、お風呂が寒いのが本当に嫌なんですよ。ほんと古い家なんで、リビングとお風呂場の温度差がすごくって。お風呂上がりも子供をとりあえず拭いて。だから自分は真っ裸で(笑)やらないといけなくて、ほんと寒いんですよ。それが一番、今嫌なところですね

近藤社長

今ね、日本ではヒートショックによってお風呂で年間18,000人亡くなってるんです。記事にならないだけで。一年間の交通事故の死亡者、何人か知ってます?

つっちゃん

めっちゃ多い気がします。
…50万人!

近藤社長

交通事故は3,500人です。比べても断然家の中が危ないんですよ、今。これ日本だけなんですよ。要は温度差です。年配の人とか高齢者の病気って言われてますけど、今研究が進んでてヒートショックになった人たちって、若い時から温度差のある生活をされてたんです。そうすると血管が縮んだり伸びたり繰り返すんですよ。で、コレステロールが溜まる。血流が悪くなって、ちょっと年配になったらヒートショックを起こすんです。だから危険ですよ

つっちゃん

ですね、ちょっと危険ですね…!

近藤社長

ちゃんとWHO(世界保健機構)では、室温が15度以下になっちゃ駄目ってちゃんと謳ってるんですよ、世界的に。外国は全部室温の法律があるんです。でも日本は無いんです。日本の法律は死ななければまあいいかな、という。だからどこの住宅会社も法律はクリアして家建ててるんですけどね。法律ってそういうもんなんです

つっちゃん

いやいや、めちゃ危険ですね!

【今回の感想】

つっちゃん

五感を使って家を見学するということ、今後見学の際は実践してみようと思います!表面温度が体感を左右するのは本当に勉強になりました。そして放射温度計…欲しい!(笑)

次回(第5回)は、60年で600万?!光熱費を抑える住宅性能、そして土地についてお話ししてもらいました!  >> 次の記事 >> Vol.5 性能と光熱費の関係編

【近藤建設興業】

住宅性能とパッシブ設計で健やかな暮らしを叶える家

※本記事ページでは、読者の皆さんへ見学に訪れた感覚をできる限りそのままお伝えしたいと考えており、会話の内容はほぼ加筆修正せず書き起こし、写真もなるべく加工せず用いています。皆さんもぜひお友達と一緒に訪れた気持ちでお楽しみください。また、掲載の間取りは簡易図となり、実際とは異なります。

左より近藤建設興業 近藤社長、Tさん、つっちゃんとお子様、近藤専務

「もしも家を建てたなら」では、マイホームの夢を叶えた先輩のお家や、住宅会社・工務店のモデルハウスや完成見学会に訪問して、インタビューをしてくれる皆さまを大募集しています。
お家探しのヒントが見つかるこの訪問・見学に、ぜひお気軽にご参加ください。



HOUSE DATAハウジングデータ

延床面積 119.24㎡(36.07坪)
1F面積 69.56㎡(21.04坪)
2F面積 49.68㎡(15.03坪)
工法 高気密高断熱高耐震+超制振工法
家族構成 ご夫婦+お子さま2人
竣工年月 2016年12月

この家を建てた工務店・住宅会社

株式会社 近藤建設興業

住所 岡山市北区津島京町1-1-12[MAP]
電話 086-255-0221
時間 10:00~19:00
定休 毎週水曜日